2012/07/29

【映画】グスコーブドリの伝記



「グスコーブドリの伝記」を見てきました。
言わずと知れた「銀河鉄道の夜」の杉井ギサブロー監督の作品です。

え、知らないの?
あんた、マジ、もっと勉強したほうがいいよ。


「銀河鉄道の夜」は、宮沢賢治の傑作を擬人化された猫で描く幻想的な作品で、日本アニメ史上に残る素晴らしい名作です。そういうわけで、今作は次のように思いました。



ああ、作らなければよかったのに...」




とにかく、グスコーブ・ドリと読む人が多いですけど、グスコー・ブドリですからまちがわないようにね。


2012/07/28

ロンドンオリンピック

オリンピックの開会式を見ました。

この前、新聞に載っていたんですが、三島由紀夫は、オリンピックを見て「ナショナリズムと平和が融合している」と感動したそうです。戦後間もなくの頃で、ナショナリズムの先は悲惨な結果しかないと考えられていた中での平和の祭典に驚いたんでしょうね。

私も、誇りみたいのに弱くて、オリンピックの開会式ではいつも感動してしまいます。イギリスの歴史や文化を誇りを持って世界に伝える演出も感動しますし、選手たちが、たとえ小さな国であってもみな胸を張って入場するシーンに、どうしようもなく心動かされてしまうのです。

イギリスは古い国で、いい歴史ばかりではありません。
でも、そういうのをひっくるめて前に向かおうとしている姿勢に、グッっとくるわけです。

開会式では、その古い歴史はそれほど大きく取り上げることなく、近代・現代の歴史や文化がメインだったような気がします。とにかく楽しい感じで、とても素晴らしい開会式でした。

2020年、東京にオリンピックを招致しようと、石原都知事が一生懸命活動していましたが、なんとなくどうでもいいような、白けた気持ちでいました。
でも、今日の開会式を見て、「絶対にオリンピックを東京で!」と強く感じました。

停滞する日本の空気を払拭するには、オリンピックのような、日本人の文化と歴史を誇りを持って世界中にアピールする、日本人みんなが高揚するどでかい祭りを、どかんとやるしかない。

きっと、失われた30年を変える、歴史的なイベントになると思います。

そのときは、ぜひ、開会式の演出はアニメ監督とかにやってほしいです。
古い歴史も、それはそれで素晴らしいとは思いますが、現代の日本文化、ポップカルチャーを、世界に発信するべきです。

ま、そんなわけで、2020年は、東京オリンピックです。

2012/07/26

【読書】舟を編む

舟を編む
舟を編む
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三浦 しをん
光文社
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三浦しをん、「舟を編む」読みました。

2012年本屋大賞受賞。
辞書を作る話です。

三浦さんは、直木賞を受賞した「まほろ駅前多田便利軒」を過去に読んだことがあって、とても面白かった記憶があります。内容は覚えてませんが。

そんで今作はというと、端的に言ってしまうと日光の手前です。(今市)
端的に言ってないか。

ま、とにかく、あまりに特筆すべきことがなくて、どこがどうダメだったか、説明できません。それほど、私には内容について抑揚が感じられませんでした。

結果、本屋大賞、信用ならないなと思いました。



2012/07/23

うちわ祭り

例年、7月20日から22日の3日間、熊谷うちわ祭りってのが開催されます。
意外と大きなお祭りで、3日間でのべ70万人が訪れるそうです。

地元とは言え、まあ、あんまり興味がないので、今年もキャンセルでいいかなあなんて思っていたんですが、兄の家族と、妹夫婦が来るって言うんで、一応参加しました。

特に、なんつーことはないですが、まあ季節もののイベントなので、行って見れば面白かったです。焼きまんじゅう食べたり、生ビール飲んだり、さざえの串焼きを食べたり、生ビールを飲んだりしました。

だいたいは優ちゃんがかわいかったです。

仮面ライダーフォーゼ、ファイアーステイツ
の正体はボクチン
チョコバナナは、ジャンケンで勝つともう一本もらえるところではないところで購入
ホコテンになった地下道でうなだれる優ちゃん

2012/07/22

新型うつ

5月から、新しいプロジェクトにアサインされました。

前までやっていた仕事は、社会人になってからたぶん、一番楽だったと思います。
客から信頼され、その上、利益率も非常に高く、適当にやっていても儲かるという、うまみの大きい仕事でした。

ところが、新しい仕事は、チームのメンバーが少ない上、仕事を任せられる人がいません。なので、私が契約書の締結から、果ては実装(プログラム)の検証まで、上から下までぜーんぶやることになりました。

初めは「やってやるぞー」と意気揚々と仕事にあたっていたんですが、あまりに考えなきゃいけないことが多すぎて、1ヶ月過ぎるくらいには息切れし始めました。
そんで、2ヶ月を過ぎるころには、客から、問い合わせという名のクレームの電話が、毎日何度もかかってくるようになり、頭がおかしくなり始めました。

単に忙しい、残業が多いだけのプロジェクトなら、今までにもっと大変だったことはありますが、私が全部見なきゃいけない上、毎日苦情の電話が何度もかかってくると、抑うつ感が続いて、「ああ、もう駄目だ」と考え始めました。

私は、会社を出ると、日本の将来は常に憂いているんですけど、仕事のことを考えることはあまりありません。でも、最近は、ずっと仕事のこと、それも嫌なことばかり頭に浮かんでしまって、常にテンションが低くて、ボーっとしていることが多くなりました。

嫁さんにもやんわりと「子どもに当たることが多い」と非難され、ヤツ当たりしているつもりはもちろんありませんが、自分に余裕がなくなっていて、子どもにも厳しくなっていたのかなあなんて考えてしまって、それがいっそう自分をへこませました。


そんなときって、可哀そうな自分に酔っていて、抑うつ的になっている自分にも酔っているんです。「こんな大変な自分はなんて可哀そうなんだ」って。


そんな折、仕事で困っている後輩がいて、客への提案書をチェックして欲しいと頼まれました。私としては、自分の仕事だけでも精一杯なのにそんなの見ている暇(余裕)はねえ、と思ったんですが、見栄っ張りなんでしょうね。虚勢を張って「俺が完璧に見てやるから任せとけ」みたいに答えて、自信満々な振りをして実際にアドバイスしているうちに、自信満々な振りが、なんかだんだん本当に自信満々な自分を取り戻してきて、「あれ、俺ってなんでこんなしょーもないことで悩んでたんだろう」と急にバカバカしくなってきました。


クレームの電話くらいで、別に命を取られるわけでもなし、そんなん堂々と対応すればいいじゃんかと気づきました。人間がやることなんだから、間違いなんて当然あるわけで、そんなんに責任を感じて恐縮する必要なんて(対外的にはありますが)、ぜんぜんない。


悩んでいる後輩を励ますつもりが、いつの間にか、結果的に自分が励まされていて、なんか笑ってしまいました。

やっぱり、ポジティブな姿勢、特に笑顔は、周りの人たちにもよい影響を与えるし、一番は自分にとってよい影響を与えるんですね。

という、今回はちょっとマジな話でした。

やっぱ、笑顔よねえ

2012/07/21

【映画】おおかみこどもの雨と雪




金曜ロードショウで「サマーウォーズ」ってアニメがやってて、前から気になっていたのでビデオに録画して、翌日に見ました。

細田守という監督です。
「時をかける少女」というアニメがあって、ネットで絶賛されていたのでずいぶん前に見たんですが、それほど強い印象を受けませんでした。
なので、「サマーウォーズ」もあまり期待しないで見たんですが、これが最高。

アニメに詳しいわけではないですけど、ここ数年で見たアニメのなかでダントツに面白かったです。

金曜ロードショウで「サマーウォーズ」を放送していたのは、この「おおかみこどもの雨と雪」の番宣だったわけですが、完全に乗っかって、今日レイトショーで見に行ってしまいました。

この作品も最高でした。
アニメも最高だし、宮崎あおいのアフレコが最高でした。

オオカミと人間のハーフを育てる、母の物語です。
荒唐無稽な内容ですが、それがアニメの真骨頂なわけですから、それでいいんです。
たぶん、子どもが産まれる前に見ていたら、これほど感動はしなかったんだろうなと思います。

世の母親への、応援歌ですね。
おすすめです。

2012/07/15

プール開き

去年は水に入るのを嫌がっていた優が、毎日「プール、プール、(入り)たい」というもんで、カインズでプールを買ってきました。

うちのベランダはまあまあ広いわりに、めったに出ることはなく、シンクもないので掃除をすることもなく、裸足で歩くと本当にあり得ない真っ黒になるという、とてもダメなやつだったんです。

なんでベランダにシンクを付けとかないのか不思議でしたが、多分、ベランダで水をバンバン流されたりすると、排水とか問題があるんでしょうね。
話を聞くと、他のマンションもついてないところが多かったです。

ベランダを有効利用するために、なんとかして水を運ぼうと思っても、キッチンはシャワーヘッドでホースはつなげないし、お風呂も当然シャワーヘッドだし、途方に暮れていました。

ところが、最近、アイリスオーヤマの製品で、お風呂のシャワーヘッドからベランダに水を引けるという優れたアイテムが発売されていることを知りました。
必要は説明の母ですなあ。

ベランダ用ホースリール VHR-14
アイリスオーヤマ
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これは、お風呂のシャワーヘッドを外して、このホースリールにつなぐと、ベランダまでホースを引っ張っていけるというスグレモノ。
水圧はちょっと弱いですけど、素晴らしいです。

とりあえず、プール設置前に、これを使ってベランダの掃除をしました。

水圧が弱いのでまあまあ大変でした。でも真っ黒の汚れが落ちてさっぱり。

そんで、これからが大変でした。
プールの空気入れをなめてました。

以前、フローターというバス釣りで使う浮き輪みたいのを使っていたので、電動の空気入れを持っていたんですが、フローター一式と一緒に友達にあげちゃったので、地道にポンプでいれます。
見栄を張って大き目のプールを買ってしまったので、死ぬかと思いました。
来年は電動ポンプを買います。

汚い足で恐縮ですが、イメージが伝わらないとあれなんで。
子どもたちは待ちきれずに、空気がまだ入りきっていないプールに水を入れ始めます。
全体像としてはこんな感じです。左上の洗濯竿にかけたビニールシートは日除けです。ちょうどいい。
シャチはこのとき1回しか使われませんでした。なむあみだぶつ・・・
優は鼻水を垂らしながら入ってます。プール大好きで、どんな状況であろうとプールに入ろうとします。
二人とも、プールに入るときは帽子をかぶるものだと思ってます。まあ、わざわざ否定はしませんが。




設置後、2回しか入りませんでしたけど、まあまあでした。
いつか入るだろうと思って、つい先日(10/6)まで置いてありましたが、昨日捨てました。

とっておこうかなあと思ったんですけど、ベランダに出しっぱなしだからまあまあ汚れていたし、畳んでしまうと、1年経つと穴があきそうですしね。
でも、やっぱりとっておけばよかったかな。

確か4000円くらいでした。


2012/07/12

10周年

嫁さんと初めて会ったのは、大学主催の新歓合宿、1996年4月でした。
どこに行ったのかは覚えてません。

私がギリギリ19歳、嫁さんは18歳。

付き合いだしたのは、大学を卒業した2000年7月12日。
嫁さんの誕生日でもあります。

私が24歳、嫁さんは23歳。

結婚したのは、付き合って2年後の2002年7月12日。
やはりこれも、嫁さんの誕生日ですね。

私が26歳、嫁さんは25歳です。

そんなわけで、今年で結婚10周年。
子どもができると、夫婦の関心はみんな子どもに行ってしまって、お互いを見つめる機会が少なくなってきてますが、まあそれでもなんとか、これからも楽しくやっていきたいなあと思っています。

特に盛大に祝うこともなく、コンビニで買ってきたケーキに引き出しに入っていた半欠けのローソクに火をつけて吹き消す。

寝起きなので、化粧もしてません。
街を歩いていると、嫁さんより若くて綺麗な人はたくさんいますが、嫁さんほど素敵な人はいないだろうなと思っています。

だいたいは適当ですが、生き方とか、考え方とか、そういうものを深く尊敬しているのです。

まあ、のろけですな。
これからも、どうぞよろしく。

2012/07/11

【読書】ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た
ふがいない僕は空を見た
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窪 美澄
新潮社
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直木賞候補かなんかになっていて(たぶん)、読んでみました。

最初から過剰な性描写で、辟易しました。
コスプレ趣味のある主婦との関係みたいな。

今読みたい本としては、揺れる心理や機微が描かれるものではなくて、ダイナミックな冒険小説のようなストーリー重視のやつなんで、特に私は意外と潔癖症で不必要な性描写に嫌悪感を持ってしまうので、途中で何度もやめようと思ったんですが、気合いでなんとか最後まで読み切りました。

読み切った感じとしては、なんか、これはこれでよかったんじゃないか、と。
やっぱり、小説ってのは、人間の気持ちの上に乗っかってるんだなと思いました。

この本は、悪くないと思います。

今、調べてみたら、映画化もされるようですね。
センセーショナルな内容なので、映画映えするでしょう。
でも、たぶん、この小説のよいところは、そこじゃないんです。

まあ、絶賛できる内容ではないんですけど。
悪くないと思います。

2012/07/10

【読書】ビブリア古書堂の事件手帖

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
三上 延
アスキーメディアワークス (2011-03-25)
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三上延、「ビブリア古書堂の事件手帖」読みました。

前回の本屋大賞の候補作になっていたようです。
さっき調べたら、もう3巻まで出ていて、合計100万部以上売れているベストセラー。

内容としては、美人の古本屋店主が難しい問題をどんどん解いていくという、ありきたりの、しかし黄金の設定です。
若くて美人な女の子が、本について博覧強記なのは、世の本好きな男たちの夢なんでしょうかね。北村薫の主人公とかもそうですけど。

本って、読むのに物理的に時間がかかるから、若い子がたくさんの本の知識があるってのは、時間的に不可能だと私は思っています。そういう意味で、白けちゃうんです。

まあ、ライトノベルですので、気楽に読むもんですね。
あと、参考図書に私の大好きな出久根達郎が入っていたので、なんとなく親近感がわきました。


2012/07/09

【読書】ジェノサイド

ジェノサイド
ジェノサイド
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高野 和明
角川書店(角川グループパブリッシング)
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高野和明、「ジェノサイド」読みました。

第145回直木三十五賞候補、
第33回吉川英治文学新人賞候補、
第2回山田風太郎賞受賞、
第65回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。

長編、力作・大作です。
直木賞は受賞できなかったようですが、受賞していてもまったくおかしくないと思います。まあ、直木賞は作品に与えられる賞というよりは、作者に対しての賞なので、キャリア不足ということでしょうか。

でも、「13階段」も素晴らしい作品でしたから、やっぱり受賞していてもよかったんじゃないかなあ。このときに受賞したのは「下町ロケット」で、これもよい作品でしたが、同時受賞でもいいわけですから。
とにかく、そのくらいこれは面白かったです。

内容としては、「新人類」がアフリカで産まれたという、ある意味荒唐無稽な話ですが、読み手をぐいぐい引っ張っていく筆力がありました。リーダブルです。

おすすめ。

2012/07/08

【読書】わが友、本田宗一郎

わが友 本田宗一郎
わが友 本田宗一郎
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井深 大
ごま書房新社
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井深大「わが友、本田宗一郎」、読みました。

井深さんは、ご存知ソニーの創業者です。
ホンダ、ソニーは、高度成長期のサクセスストーリーを代表する日本企業ですから、読んでいて気分がいいです。日本人として誇りに思います。

ただ、現状では、日本企業の世界での存在感は、小さくなっています。
衰退の原因はいろんな要因があるんでしょうが、日本企業は「いいものを作れば売れる」と考えていて、その「いいもの」とは「スペック」だと思っていたことにあるんだろうと思うんです。

車で言えば、「低燃費(km/l)」「高出力(ps)」「低価格」、
パソコンで言えば、「クロック数」「メモリ容量」なんかです。

安くて、燃費が良くて、馬力もあるんだったら、こんなにいい車ってないと普通は考えます。
そして、それは基本的には正しい。

でも、車の楽しさってそれだけじゃないですよね。
運転する楽しさだったり、見た目のセクシーさだったり。

Appleが成功したのは、iPhoneのスペックではなくて、UX(User Experience)です。
スペックをないがしろにしてよいということじゃなくて、スペックは一定の基準をクリアするのは当然として、その次にあるどんな「ユーザ体験」を与えるかってことなんだと思います。

ソニーのウォークマンは、スペックもよかったと思いますが、今までにないUXを与えたことが世界的にヒットした原因だと思うんです。

この本を読む前、本田宗一郎も井深大も、旧世代の偉人たちはそのことに気づいていなかったんだろうなと思ってました。でも、そんなわきゃないですよね。

いい物を作りゃ何でもいいということにはならないね。やっぱり、そこに人間というものが入っているからには、それを大事にしなきゃいかんよ。これから大変な時代が来ると思うのは、そういう意味でね。どんな良い物を作ったってダメなんですよ。やっぱり人の心をつかむということ。(井深大、本田宗一郎「最後の対談」)

25年前に、今の日本を予見していた。
やっぱり、日本を代表する企業家は、ビジョナリーだったんだなと思います。

ビスケットを作る2人
フルーツグラノーラを使って作る
おいしくできました。