Winnyってのは、悪名高いファイル共有ソフトで、当時、東大の助手をしていた47氏って人が、2chで要望されて作りました。
47ってのは、スレッドの番号です。本名は金子さんっていうみたいです。
私がこのソフトウェアを知ったのは、社会人になって3年目だったので、2002年です。
衝撃を受けました。
既存の概念をめちゃくちゃに打ち壊す衝撃です。
このソフトウェアの登場で、著作権はなくなると思いました。
知的財産権の再定義が必要だと。
ま、実際はそこまでは行かなかったんですけど、このソフトウェアの登場を契機に(Winnyに関係なく時代の流れかもしれないですが)、著作権という概念がゆるやかに崩壊、変化していっているのは間違いありません。
今日もニュースになってましたが、本を電子化する「自炊」に反対するのも、そういう意味で時代の流れに逆行していると私は思います。
最終的には、今のコンテンツビジネスは、現在の形では成立しなくなると思います。今までは、コンテンツ=物理メディア、つまり音楽はイコールCDだし、ゲームはイコールゲームソフト(光学メディア、ROM)だったので、簡単でした。
でも、これからは、映画や音楽、ゲームなどは、ネットワークを介してHDDやフラッシュメモリなどに保存して利用することが一般的になってきます。これは、Appストアなどではすでに実現しています。
つまり、純粋にコンテンツ自体を売買するように変化してきているわけです。
流通や媒体は不要、コンテンツを作成者から使用者が直接購入できるような仕組みです。
(今はまだAppストア等の中継ぎが必要ですが)
2002年当時、インターネットの黎明期からは時間が経ち、普及期に入り、ISDNからADSL、FTTHへとブロードバンド化されて行きました。
同時に、ハードウェアの値段がどんどん下がって、昔は高価だったHDDが大容量かつ低価格になってきました。
この「ネットワークの高速化」「記憶領域の大容量化」のポテンシャルを使い切った、唯一のソフトウェアがWinnyだったんです。
私は極端な表現が多いですが、当時「唯一」のソフトウェアだったってのは、誇張ではなく事実です。
実際の用途としては、不正なファイル共有がほとんどだったため、作者は捕まってしまいましたが、この時もかなりの論争になり、「包丁を使って殺人を起こした人がいるからと言って、包丁を作った人まで罪になるのか」というものでした。
つまり、Winnyは使い方次第で、違法にも合法にもなります。
それを作者の責任にするのかどうかというのが焦点です。
違法だと言う人は「拳銃を作った人は、それが危険な使い方をされることがわかっている。Winnyは包丁ではなく拳銃だ」と反論しました。
どっちかって言うと、私はこちらの意見に賛成で、Winnyの実態は違法アップロードの巣窟でしたから、やむを得ないのかなと。
ただ、私はソフトウェアを作る仕事をしているわけで、開発者が萎縮してしまうような判決は出して欲しくないなと矛盾した考えを持っていたのですが、やはりその辺も勘案された判決が出たようです。
私は、もうずっとWinnyは使ってません。
使うと会社をクビになってしまうからです。(たぶん)
ま、なんというか、最高裁の判決を機に、興奮した時代を思い出したのでとりとめもなく書いてみました。
こうやって、一歩ずつ、インターネットや時代が進んでいくんでしょうね。
人類はこうやって一歩いっぽ進んでいるんだ |
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