友人に勧められて読みました。
図書館で予約したんですが、あまりにたくさん先約が入っていたので、Amazonで古本を買いました。
Amazonのカスタマーレビューは300件以上書かれており、人気作だってのを窺わせます。
読んで納得しました。
大作です。
太平洋戦争の零戦乗りの話なんですが、やはり、戦争のつらい記憶が切々と綴られているので、読んでいて胸が痛く、やりきれなくなります。
坂の上の雲みたいな、人がバンバン死ぬ、とにかく死にまくる、やりきれなさです。
普通、小説で人が死ぬ場合、大事な人とか、とにかくストーリー上である程度の役割をもった登場人物が死ぬわけなんですけど、戦争小説は不特定多数の人が、ただ無茶苦茶死にます。
これは結構堪えます。
私は、戦争をやるっていう国には絨毯爆撃をしたほうがよいと思っているほどの平和主義者です。
戦争は絶対反対、どんな理由があっても、絶対に反対です。
そういう意味で、自衛隊も憲法違反だと思っています。
日本は一切の軍隊を持つべきではないという、あまりに純粋な平和主義者です。
この話を以前、高校の友達にしたときに、「それは暴論だよ、もし軍隊を放棄したら、それは日本の権力者としてあまりに無責任だ」と言われました。
おそらく、正論だと思います。
でもね、今の時代であればという前提ですが、国対国の戦争なんて、起こるはずないと思うんですよね。太平洋戦争のときよりも、人類はずっと進歩していると思うんです。
それに、アジアに軍隊を持たない、アホな国が1つくらいあったっていいと思うんです。
世界唯一の被爆国である日本が軍備を放棄する意味は大きい。
私がいつも矛盾に感じるのは、戦争をする理由が「家族を守るため」であることです。
これって、絶対に否定できない理由ですけど、相手の国の兵士も「家族を守るため」に戦っています。
お互いが家族を守るために戦うって、頭おかしいでしょ。
戦わなければいい。
だから、軍隊がなければ戦えないんだから、そのほうがいいです。
話が脱線しましたが、この本は、戦争の悲惨を訴えるだけでなく、エンターテイメントとしても成立しているところがよい、というか、小説的だと思います。
作者は元放送作家だったようで、ちょっとやりすぎ感があるんですよね。
いや、小説ですから、それでいいんですけど。
なので、誤解を恐れず言うと、よい娯楽小説だと思いました。
重いですけど。
呑気にドーナッツを食べられる時代って素晴らしい。 |
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