前までやっていた仕事は、社会人になってからたぶん、一番楽だったと思います。
客から信頼され、その上、利益率も非常に高く、適当にやっていても儲かるという、うまみの大きい仕事でした。
ところが、新しい仕事は、チームのメンバーが少ない上、仕事を任せられる人がいません。なので、私が契約書の締結から、果ては実装(プログラム)の検証まで、上から下までぜーんぶやることになりました。
初めは「やってやるぞー」と意気揚々と仕事にあたっていたんですが、あまりに考えなきゃいけないことが多すぎて、1ヶ月過ぎるくらいには息切れし始めました。
そんで、2ヶ月を過ぎるころには、客から、問い合わせという名のクレームの電話が、毎日何度もかかってくるようになり、頭がおかしくなり始めました。
単に忙しい、残業が多いだけのプロジェクトなら、今までにもっと大変だったことはありますが、私が全部見なきゃいけない上、毎日苦情の電話が何度もかかってくると、抑うつ感が続いて、「ああ、もう駄目だ」と考え始めました。
私は、会社を出ると、日本の将来は常に憂いているんですけど、仕事のことを考えることはあまりありません。でも、最近は、ずっと仕事のこと、それも嫌なことばかり頭に浮かんでしまって、常にテンションが低くて、ボーっとしていることが多くなりました。
嫁さんにもやんわりと「子どもに当たることが多い」と非難され、ヤツ当たりしているつもりはもちろんありませんが、自分に余裕がなくなっていて、子どもにも厳しくなっていたのかなあなんて考えてしまって、それがいっそう自分をへこませました。
そんなときって、可哀そうな自分に酔っていて、抑うつ的になっている自分にも酔っているんです。「こんな大変な自分はなんて可哀そうなんだ」って。
そんな折、仕事で困っている後輩がいて、客への提案書をチェックして欲しいと頼まれました。私としては、自分の仕事だけでも精一杯なのにそんなの見ている暇(余裕)はねえ、と思ったんですが、見栄っ張りなんでしょうね。虚勢を張って「俺が完璧に見てやるから任せとけ」みたいに答えて、自信満々な振りをして実際にアドバイスしているうちに、自信満々な振りが、なんかだんだん本当に自信満々な自分を取り戻してきて、「あれ、俺ってなんでこんなしょーもないことで悩んでたんだろう」と急にバカバカしくなってきました。
クレームの電話くらいで、別に命を取られるわけでもなし、そんなん堂々と対応すればいいじゃんかと気づきました。人間がやることなんだから、間違いなんて当然あるわけで、そんなんに責任を感じて恐縮する必要なんて(対外的にはありますが)、ぜんぜんない。
悩んでいる後輩を励ますつもりが、いつの間にか、結果的に自分が励まされていて、なんか笑ってしまいました。
やっぱり、ポジティブな姿勢、特に笑顔は、周りの人たちにもよい影響を与えるし、一番は自分にとってよい影響を与えるんですね。
という、今回はちょっとマジな話でした。
やっぱ、笑顔よねえ |
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