2012/07/08

【読書】わが友、本田宗一郎

わが友 本田宗一郎
わが友 本田宗一郎
posted with amazlet at 12.07.08
井深 大
ごま書房新社
売り上げランキング: 120189
井深大「わが友、本田宗一郎」、読みました。

井深さんは、ご存知ソニーの創業者です。
ホンダ、ソニーは、高度成長期のサクセスストーリーを代表する日本企業ですから、読んでいて気分がいいです。日本人として誇りに思います。

ただ、現状では、日本企業の世界での存在感は、小さくなっています。
衰退の原因はいろんな要因があるんでしょうが、日本企業は「いいものを作れば売れる」と考えていて、その「いいもの」とは「スペック」だと思っていたことにあるんだろうと思うんです。

車で言えば、「低燃費(km/l)」「高出力(ps)」「低価格」、
パソコンで言えば、「クロック数」「メモリ容量」なんかです。

安くて、燃費が良くて、馬力もあるんだったら、こんなにいい車ってないと普通は考えます。
そして、それは基本的には正しい。

でも、車の楽しさってそれだけじゃないですよね。
運転する楽しさだったり、見た目のセクシーさだったり。

Appleが成功したのは、iPhoneのスペックではなくて、UX(User Experience)です。
スペックをないがしろにしてよいということじゃなくて、スペックは一定の基準をクリアするのは当然として、その次にあるどんな「ユーザ体験」を与えるかってことなんだと思います。

ソニーのウォークマンは、スペックもよかったと思いますが、今までにないUXを与えたことが世界的にヒットした原因だと思うんです。

この本を読む前、本田宗一郎も井深大も、旧世代の偉人たちはそのことに気づいていなかったんだろうなと思ってました。でも、そんなわきゃないですよね。

いい物を作りゃ何でもいいということにはならないね。やっぱり、そこに人間というものが入っているからには、それを大事にしなきゃいかんよ。これから大変な時代が来ると思うのは、そういう意味でね。どんな良い物を作ったってダメなんですよ。やっぱり人の心をつかむということ。(井深大、本田宗一郎「最後の対談」)

25年前に、今の日本を予見していた。
やっぱり、日本を代表する企業家は、ビジョナリーだったんだなと思います。

ビスケットを作る2人
フルーツグラノーラを使って作る
おいしくできました。

0 件のコメント: