かなり前ですが、新聞に「
中国レアアース最大手、生産停止延長 需要が急減」という記事が載っていました。
中国政府は尖閣諸島の問題等、反日感情の高まりとともにレアアースを政争の具として、輸出を絞りました。
レアアースはEVやハイブリッド車で使用するリチウムイオン電池や、先端工業製品に使用されるもので、日本の基幹産業を支える重要な材料です。それを輸入できないと、製品を作ることができません。
ところが、日本は官民挙げて、レアアースを他の国から輸入できるようにしたり、そもそもレアアースを使用しないでも製造できる製品に代替することで、中国からの輸入に頼らなくてもなんとかやっていける体制を作り上げました。
そしたら逆に、レアアースを生産していた中国企業が苦境に立たされているようなんですね。
さすが!
日本、さすが!
この記事を読んだときに思ったのは、日本は抜き差しならない状況に陥るとものすごい力を発揮するんだなってことでした。素晴らしい技術革新を起こします。
そのときに、原発の問題とかもそうなんかなあって、ふと思いました。
大学のゼミで、ドイツの環境問題とかをやっていたので、ドイツが原発廃止に向け先進的な試みをかなり前からやっていることは知っていて、ただ、それにたくさんの問題があることも知っていました。
ドイツ国内の原発は廃止しても、実際は原発大国であるフランスから電力を買っているという矛盾もあるし、再生可能エネルギーに代替させるため電気料金が高騰しているという問題もあります。一時は世界を席巻したソーラーパネルのドイツ企業、Qセルズも破綻しました。
そういうのを見ていると、原発廃止ってのはちょっと難しいんじゃないかなあと思っていました。
再生可能エネルギーが現時点で原発を代替するってのは、コスト的にも安定性からも現実的ではありませんし、電力の供給が止まることで命が脅威にさらされるケースもあると思います。
たとえば、北海道は夏よりも冬のほうが電力需要が多いようで、そこで電力の供給が止まってしまうと、最悪凍死のような、特に高齢者が生命の危険に脅かされるリスクがあると思っていました。
でも、当然電力が供給されるつもりでいきなりストップしたら確かにそのようなリスクはあると思いますが、初めから停電する可能性があるとわかっているのであれば、事前に対策もできます。灯油ストーブを買ったりとか。
だから、逆に、原発をすべて止めるような危機的状況に追い込めば、日本では技術革新が起こるんじゃないかと思ったりもしています。
とはいえ、当面は火力発電で、そのための燃料輸入で毎年2兆円程度のコストがかかるようで、これは単に消費してしまうだけなので、日本から富が流出していってしまいます。
また、電力コストが上昇すれば、個人では許容できたとしても、営利目的である企業はもっと日本離れ、生産拠点を海外に移すという動きが加速してしまいます。
まあ、そういうわけで、どうしたらいいのか、まじわかんないって話でした。
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