大島真寿美、「ピエタ」読みました。
14世紀にヴェネツィア共和国に作られた、ピエタ院(孤児院)の話です。
ピエタは、貴族や裕福な市民からの寄付で成り立っていましたが、それだけでは立ち行きませんでした。そのため、ピエタは音楽院としての役割も持ち、8歳から10歳くらいで音楽的才能が認められると「合奏・合唱の娘たち」になり、コンサート等で収入を得ていました。
1700年初頭から、アントニオ・ヴィヴァルディがピエタの教師、作曲家として活躍し、「合奏・合唱の娘たち」からも有名なヴァイオリニストや歌手を輩出したようです。
この本は、そのヴィヴァルディと娘たちの話です。まあ、娘といっても中年で、舞台もほぼヴィヴァルディの死後です。
中学生のとき、埼玉県統一の学力テスト「北辰テスト」で最初にかかる曲が、ヴィヴァルディの「四季(春)」でした。
なので、その曲がかかると、なんとも懐かしい、中学生のときの高校受験に備える前の緊張のような、不思議な感情が湧き上がってきます。
そんな、個人的な感情を呼び起こす本でした。
悪くないと思います。
【ヴェネツィアの地図(ピエタはもうありません)】
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